Rd1 鈴鹿サーキット
鈴鹿サーキット
5.807km×8周
#138:内藤 章太
Day 1: 予選(土曜日)— 霧と雨が織りなす大勝負
予選当日の空模様は予測不能でした。「雨が上がる」と「雨が降り続く」の予報が目まぐるしく入れ替わる中、チームは難しいセットアップの判断を迫られました。
我々が下した決断は、「路面はドライには戻らない」。予選枠の前の走行カテゴリーとコース上の雨量を鑑み、前日からの温間空気圧ターゲットを維持した「ウェットセット」で予選に挑むことを決めました。
作戦はアグレッシブでした。ピットエリアが後方だったため、コースオープンと同時にファストレーンに並び、先行する車両を積極的にかわして、速やかにクリアラップ(他の車に邪魔されない区間)を作り出すこと。当初はチームメイトである#111 千葉選手の後方につく予定でしたが、途中で他車が割り込んできたため、即座に私が先行してアタックするプランに切り替えました。この瞬時の判断力が、この日の結果を左右しました。
路面コンディションは徐々に回復傾向にあり、タイヤも周回を重ねるほどに力を発揮しました。私はアタックを繰り返し、#111 千葉選手と互いにコンマ数秒を削り合う、極限のタイムバトルを展開。その結果、2分58秒046という好タイムをマークし、わずか0.129秒差でAグループ2番手のポジションを獲得しました。
不安定な状況下で、チームの読みとドライバーの機転が結実した、価値あるフロントロー獲得となりました。
Day 2: 決勝(日曜日)— 抜きつ抜かれつの大激戦
グリッド上では、お越しいただいたツアーのお客様たちと交流し、温かいエールをいただきました。皆様の存在が、私に最高の集中とリラックスをもたらしてくれました。
スタート前には、エースドライバーからトップ勢のスタートテクニックを直接伝授いただきました。その綿密な指導のおかげで完璧なスタートを決め、オープニングラップでは#99 行選手をギリギリで抑え込みます。
しかし、そのオープニングラップのS字でクラッシュが発生し、セーフティカー(SC)が導入されるドラマティックな展開に。レースが3周目から再開されると、SC走行中に冷やし過ぎてしまったフロントタイヤが悲劇を招きます。2コーナーでわずかなミスが生じ、東コースでは後方からの強烈なプレッシャーを受け続けました。
そして、ヘアピンカーブのブレーキングで#99 行選手に先行を許します。諦めずにその直後のスプーンカーブで並びかけ、一時は前に出ることができたものの、続くスプーンカーブの2つ目で再び抜き返されてしまうという、まさに手に汗握る抜きつ抜かれつの大激戦となりました。
その後も、追撃のチャンスを虎視眈々と窺い続けましたが、ドライコンディションにおけるタイム差は想像以上に大きく、トップグループについていくのが精一杯。最後まで隙を見つけることは叶わず、惜しくも4位でのチェッカーとなりました。
レースを終えて — 新たな決意
結果は4位と悔しさが残るものの、シーズンオフの自主練習と、エースドライバーによる日々の綿密なご指導のおかげで、昨年の関西シリーズでは獲得できなかったポイントを、開幕戦で手にすることができました。まず安堵するとともに、この結果はひとえにチームスタッフ、そして応援してくださった全ての皆様の支えがあってこそだと痛感しています。
このレベルで常に戦い続けるためには、さらなる成長が不可欠です。車両や他ドライバーの車載映像を徹底的に解析し、より早く、より安定した走行を実現できるよう、努力を重ねてまいります。
また、次戦からは私と新任ドライバーの2人タッグでの出場となります。後輩ドライバーの手本となれるよう、これまで以上に日々真剣に取り組んでいく所存です。
皆様の熱いご声援、誠にありがとうございました。次戦もご期待ください!
