GRGm_top
  1. トップページ
  2. GR Garage midress 豊田
  3. レースレポート
  4. 2022
  5. Yaris CUP 2022 特別戦
12月10日(土)・11日(日)

Grand Final 富士スピードウェイ

終始2番手でトップにプレッシャーをかけ続けた決勝レース
最後の直線でトップに立った神谷裕幸が初めて日本一に!

TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup 2022 Grand Final
富士スピードウェイ 4.563km×10周
予備予選、予選 12月10日(土)天候:晴れ 路面:ドライ
決勝 12月11日(日)天候:晴れ 路面:ドライ
Yaris 20221211 (15)

予備予選突破の期待がかかった内藤だったが……

シリーズはすでに終了しているが、Yaris遣いたちにはまだ重要な一戦が残されている。それが富士スピードウェイを舞台とする、年末恒例の特別戦「Yaris Cup 2022 Grand Final」だ。ウィナーには来シーズン、ゼッケン1をつける権利が与えられるレースでもある。

予選、決勝に臨めるのは54台のみに対し、エントリーは昨年の70台をはるかに上回る91台。そのため、予備予選が行われるのが、このレースの特徴でもある。東西各シリーズ1位から6位のドライバーと、同CVTクラスのシリーズ1位から3位のドライバーはシードドライバーとして、この予備予選が免除される。したがって、チームミッドレスの#38神谷裕幸は、西日本シリーズのチャンピオンとして免除されるものの、#138内藤章太は参加しなくてはならない。予備予選突破が可能なのは73台中36台。つまり、ほぼ半分なのだ。

だが、昨年より狭き門になった予備予選に臨むはずだった内藤は、金曜日の練習走行でエンジンに異音が発生。その音が土曜の朝にさらに大きくなったため、チームの判断でリタイヤすることに。2戦連続の檜舞台での欠場は不運としか言いようがない。

Yaris 20221211 (6)

序盤は苦戦の予選も、終盤に巡ってきたチャンスをしっかり活かす

今大会の予備予選と予選は、特別規則によりいずれもフロントにニュータイヤの装着が義務づけられる。予備予選に出走したドライバーの方が多く周回せざるを得ず、そのハンデをなくすための配慮だ。

通常54台もいれば、予選は2組に分けられるだろうが、今大会は1組で競われる。当然、大渋滞となるものの、それでいてスリップストリームを使わなくては好タイムが望めないのが厄介というか、裏腹な感もある。

20分の計測のうち、#38神谷は2分経過後にコースイン。あらかじめスリップストリームを使い合おうと話し合っていたドライバーと走り出すも、ペースの違いからあっという間にバラバラに。やむなく単独で計測1周目に2分16秒583をマークするも、その時点での10番手で、トップとは1秒の開きがあった。

そこで次の周はクールダウンを兼ねて間合いをはかり、スリップストリームが使える位置を得ると、2分15秒633で4番手に浮上。その2周後には東日本チャンピオンの背後を得ることもでき、今度は2分15秒357にまで短縮を果たし、予選2番手を獲得した。

Yaris 20221211 (5)

#38 神谷裕幸のコメント

「引っ張り合おうと言っていたドライバーとは、いつの間にかはぐれてしまって。とりあえず、難しかったです。路面もグリップせず、昨日とは全然違っていて最初のうちはうまくいきませんでした。途中でうまくポジションを作っていって、そこでいいスリップを使ってタイムを出せたという感じでした。フロントローが獲れたので、そこを大事にしていって、なんとか。明日が本番なので、明日、頑張ります」
Yaris 20221211 (7)

かけ続けたプレッシャー、冴えた頭脳プレー。最後の最後でトップに立つ!

このレースウィークは天候に恵まれたが、決勝レースが行われた日曜日も例外ではなく、今シーズン最後のレースを盛り上げるかのように、サーキット上空には青空が広がっていた。Grand Finalは富士でのシリーズ戦とは異なり、2周多い10周で競われる。

フルグリッドの54台もいると、フォーメーションラップを終えて#38神谷が2番手グリッドに着いてからスタートまでの時間が長い。それでも集中力を切らさず、レッドシグナルの点灯、消灯を待ってスタート! 蹴り出しはポールシッターとほぼ同時であったが、1コーナーにアウト側から飛び込んでいった分、トップの脱出速度が高い。立ち上がりでやや差を広げられたばかりか、3番手がぴたりと食らいついて離れない。1周目を終えた時点でのトップと2番手#38神谷との差はコンマ8秒。しかし、次の周にはコンマ2秒にまで詰め、1コーナーからコカコーラコーナーまで並走するも、#38神谷は無理せず。

4周目のコカコーラコーナーで待望のトップに立った#38神谷ではあったが、5周目のストレートで抜き返されてしまったことと、さらに1台がぴたりと背後につけていることから作戦を変更。コーナーで行くぞと見せかけ、プレッシャーをかけつつ、トップのタイヤを酷使させることに。この作戦は的中し、10周目の最終ラップに入るとトップの挙動がコーナー立ち上がりで乱れる。だが、あえて#38神谷はまだ我慢。

勝負に出たのは最終コーナー。イン側のラインをトレースし、立ち上がりでトップに並走。そしてサイドスリップを利用して、ストレートでじわりじわりと差を詰めていく。3番手が#38神谷のスリップストリームを使おうと背後につけるも、トップが真横にいるから、抜け出すことができず。#38神谷はゴールライン直前で先頭に立ち、コンマ14秒差でトップチェッカー! 巧みな頭脳プレーで、今シーズン最後のレースを#38神谷が制した。

Vitzの頃を含め、2001年からGrand Finalに出場し続けている#38神谷だが、優勝はこれが初めて。西日本シリーズのチャンピオンに加え、ついにYaris遣い日本一の栄冠も獲得した。

Yaris 20221211 (10)
Yaris 20221211 (11)

神谷裕幸のコメント

「最初は様子を見ながら、どういう動きするかなって見ていて、向こう(# 438森口優樹選手)はあまり富士でレースをやっていないんで、そのうち『あ、こんな感じか』っていうのが分かったので、ちょっとタイヤを使わせて…。案の定、後半きつそうになってきていたので、これは最後のストレートでスリップから仕掛けるしかないなと。たぶんその展開を予想していないだろうし、『よし、これで行こう』と。うまくサイドスリップを使えて、いい感じで抜け出せてトップでチェッカー受けられたので、良かったです。あ〜、でも、やっとです。Vitz Raceを2001年から始めて、やっとGrand Finalに勝てたので。このレースだけ僕、勝っていないんですよ。22年越しの日本一で、本当に良かったです! 来年はせっかくなので、ゼッケン1をつけて出たいと思います。Yaris Cup、来年も楽しめたらと思います」
Yaris 20221211 (12)
  • Yaris 20221211 (1)
  • Yaris 20221211 (3)
Yaris 20221211 (14)

TOYOTA GAZOO Racing Yaris Cup 2022 Grand Final  RESULT

  • HOME
  • 一覧に戻る